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昔、精神科病院に入院した時のこと

 

闇が広がり、鉄の扉が閉じた。

 

目に飛び込んだのは、

痩せた体で何かを訴えている人々だった。

僕は次の瞬間記憶を失っていた。

 

相当疲れていたのだろうか。

僕は四つん這いでいる。

意識を取り戻したのは体の自由が利かない中、

必死にわずか5メートル動くのにも本能でしか理解できず、

自分で気付いたことは食事にありついていたことだった。

スプーンも上手く持てない。

 

次の瞬間、また記憶を失った。

どのくらい眠りについていたのだろうか。

僕はベッドで目が覚めた。

この病棟に入って初めて自分の意思が動いたのは、

「タバコ―。」

という声と共にみんなが集まっていく中、

タバコを吸いに行こうとした時だった。

仲間入りをした自分の新しい生活が始まった。

 

 

 

by G.